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再発防止クレジットカウンセリングの意義

2006年12月、いわゆるグレーゾーン金利の撤廃と債務者の年収を基準に貸出枠を決める総量規制を目玉とした新貸金業法が成立した。さらに2009年6月には、いわゆる次々販売の規制を目的として特定商取引に関する法律および割賦販売法が改正された。はたしてこれら新法は「多重債務問題・消費者問題を未然に防ぎ、悪徳業者を排除する」という目的の達成につながっているのだろうか。そして、多重債務を抱えた人の真の救済、「再発防止」へとつながっていくのだろうか。1996年より14年間、多重債務相談の現場に身を置いている。

これまで4,000人を超える多重債務者の声を聴いてきたが、その大半は消費者として生きていくなかで、だれもが遭遇しそうな「ちょっとしたきっかけ」から惜金が始まっていた。もちろん、借金を抱えた人全員が多重債務に陥るわけではない。本人の心の問題、生活環境、油断、金銭感覚の甘さなどさまざまな事情が絡み合い、最初は小さな借金でも、繰り返すことでやがて自身の収入では支払うことができない多重債務へとつなかっていく。さまざまな原因・きっかけにより多重債務へと陥った相談者と向き合い、その心に寄り添うことで、相談者の再起と自立に取り組んできた。その経験から多重債務問題は、特別な人が陥る特別な問題ではなく、「だれでもが陥る危険性のある身近な問題」であり、「心の問題、そして命の問題」だと知った。

多額の借金を抱えて支払不能となった人にとって、法律での債務処理は即効性があり、有効であることはいうまでもない。しかし、たとえ借金を法律で解決できたとしても、本人の生活環境・お金の使い方の「癖」・考え方、何より多重債務に陥った「その人の内にある」根本原因が法律で改善されたわけではない。どうやって人生を再建すればよいか、その術がわからないままのリスタートでは、同じことを繰り返す危険性は否定できない。だからこそ、相談者が二度と多重債務問題を繰り返すことのないように、クレジットカウンセリングを施すことは有効かつ必要なのである。