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目前の取立てだけが問題ではない

たくさんの借金を抱えて支払に行き詰まると、借金取りに追われる。いまでも乱暴な取立てがなくなったわけではない。ひどい取立てはもちろん止めさせる必要がある。しかし、取立行為の行きすぎを止めさせただけでは根本的に解決したことにはならない。なぜ、そのようになったのか、原因をきちんと明らかにしておく必要がある。「高い金利の支払に追われて借金を重ねた」と弁明する。たしかに、途中からはそうだろう。しかし、要点は「そもそもの借金の原因が何なのか」である。「生活費に困って借金した」というときでも、「なぜ生活費が足りなくなったのか」「収入が減ったのか」「それはどうしてか(失業・病気・不況)」「支出が増えたのか」「それはどうしてか(事故・病気・パチンコ・飲み代)」というように具体的に話を進めていく。

結局は、家計簿をきちんとつけていない。計画性がないまま、その日暮らしで過ごしてきたのではないか。カードの使いすぎという場合には、本人は一見すると豊かな生活をしていることがある。洋服を何十着ももっていた若い女性がいた。彼女は、日頃の満たされない気持ちをカードでの買物で紛らわせていた。たくさんの借金を抱えで支払に行き詰まった人の多くは、いわば心身になんらかの欠陥のある病人だと考えている。しかも、たいていはかなり重症の患者である。そこで、まず本人にこのことの自覚をもってもらうことが必要だ。

そのためにも、時間をかけてじっくり見極めながら、事件の処理を進めていくのである。ひと頃より客が減ったといわれるパチンコ店だが、相変わらずの繁盛ぶりには呆れるばかりだ。それだけ心が満たされていない日本人が多い。昼も夜も、テレビなどで商品購買意欲をかき立てられているなかで、次々にカードを使って商品を買い、行き詰まる人々が多数出てくるのは必然的な現象である。お金のかからない楽しみをみつけよう! ひたすら辛抱するだけ、というのでは長続きしない。やはり一家団楽と息抜きは必要だ。本当に豊かな生活は、モノに頼らなくても実現できるはず。

人間らしい生活を取り戻すにはどうしたらよいのか、いまごそ考え直すべきときなのだ。借金の整理をしてしまった後で、またもや借金をするようでは困る。これからは借金をしなくても無理なく生活していけるのか、きちんとした見通しを立てることが大切だ。いま失業して無職の人は仕事を探すことが先決だし、病気したりして働けないときには、生活保護を受けられるように手続をとるべきだ。生活保護は申請したからといって、すぐに受けられるわけではない。生活の場と収入を確保してはじめて安心して生活ができる。家族みんなで今後の生活設計をよくよく話し合うことが欠かせない。