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クレジットカウンセリングをめぐる日弁連の見解

内閣が設置した「多重債務者対策本部」の発足にあたって、日弁連は改正貸金業法成立・公布直後の2006年12月22日、要望書を提出した。このなかでクレジットカウンセリングについて触れている箇所を抜き出すと、「多重債務者に対する債務整理・家計相談の機関は公正中立であること」と述べている。その理由として、「生活再建のためには債務整理が不可欠であるので、法定金利での引直計算による債務の圧縮と過払金の回収の2つが行われることが必須だ」としている。

そのため、日本クレジットカウンセリング協会については、過払い金の請求は行っていないことを理由として「行政が紹介する専門のカウンセリング機関とすべきではない」とする。たしかに「債務の圧縮と過払金の回収」も大切なことではあるが、それをしないからといって同協会はいけないと決めつけるのには大いなる疑問がある。日本クレジットカウンセリング協会は弁護士とアドバイザーの2人1組で対応しているが、それは生活再建にあたって家計管理の重要性を認識しているからである。

日弁連の前記要望書は生活再建の要因の1つであってすべてではない「債務の圧縮と過払金の回収」にばかり目を奪われ、家計管理のほうになんら目を配っていないところに問題がある。さらに、貸金業者の業界団体が独自に行うカウンセリング業務については、それが貸金業法(第32条8号)で法定化されたことをふまえて、「債権者側による債務整理との公正中立さに疑問が抱かれる」としたうえ、「公正さを確保する観点から、債務整理は弁護士会等へ紹介する必要がある」としている。